無痛分娩は母乳に影響する？

「無痛分娩を選んだら、麻酔薬の影響で母乳が出にくくなるのでは？」と不安を抱く妊婦さんも少なくありません。痛みを軽減できる一方で、母乳との関連が気になるところですよね。本記事では、無痛分娩と母乳育児にまつわる基本的な知識を整理し、麻酔薬の安全性や産後のホルモン分泌への影響をわかりやすく解説します。正しい情報を身につけて、横浜市での出産・子育てを安心してスタートしてみませんか？

無痛分娩とは？母乳への影響を考える前に

無痛分娩は、麻酔（主に硬膜外麻酔）によって陣痛や分娩時の痛みを軽減する出産方法です。出産時の痛みが大幅に和らぐため、体力的・精神的な負担が減るメリットがあります。しかし「痛みが少ない分、ホルモンバランスに影響が出るのでは？」「薬剤が母乳に移行するのでは？」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

まずは無痛分娩の大まかな仕組みを知り、なぜ母乳への影響が話題になるのかを理解しておきましょう。

無痛分娩の仕組み

一般的には硬膜外麻酔と呼ばれる手法が使われます。腰のあたりにカテーテルを挿入し、局所麻酔薬を少しずつ投与して陣痛の痛みを軽減します。完全に痛みがゼロになるわけではなく、「和痛分娩」と呼ばれることも。

母乳への影響が話題になる背景

無痛分娩に用いる麻酔薬は、血液を介して母乳へ移行するのではないかという懸念があります。加えて、陣痛や出産時の痛みが母体のホルモン分泌に影響を与えているため、痛みを感じにくいと母乳分泌に必要なホルモン（プロラクチンやオキシトシン）の分泌量が低下するのではないか、という不安につながっています。

麻酔薬の種類と母乳への移行リスク

無痛分娩で使われる麻酔薬は主に局所麻酔薬です。代表的なものにリドカインやブピバカインなどがあり、硬膜外麻酔によって注入されます。全身麻酔ではなく、分娩する母体の下半身周辺を中心に痛みを感じにくくするため、血中への移行は比較的少ないとされます。

硬膜外麻酔と全身麻酔の違い

全身麻酔は、麻酔薬が血流に乗って全身に作用しますが、硬膜外麻酔は局所的なブロックが目的です。そのため、薬剤が赤ちゃんや母乳に移行するリスクは全身麻酔より低いと言われています。

国際的なガイドラインや研究報告

いくつかの研究やガイドラインでは、硬膜外麻酔時に使用する薬剤が母乳へ移行する量はごく微量とされています。通常の分娩時や産後ケアでの使用範囲であれば、赤ちゃんへの有害な影響は極めて小さいと考えられています。

産後の母乳分泌とホルモンの仕組み

母乳の分泌を促すのは主にプロラクチン、射乳反射を助けるのはオキシトシンです。これらは出産後に急増し、赤ちゃんが乳首に吸いつく刺激によってさらに分泌量が高まります。

• プロラクチン（乳汁分泌ホルモン）
  出産後に急上昇し、母乳を作り出すホルモンです。赤ちゃんが吸うほど刺激になり、より多くの母乳が作られます。
• オキシトシン（射乳を促すホルモン）
  母体がリラックスしているときに分泌されやすいホルモン。産後の子宮収縮を促し、母乳を乳首へ送り出す働きがあります。

無痛分娩では痛みを軽減することで母体のストレスを下げ、結果として授乳に集中しやすくなるとも言われています。実際には個人差があるものの、「痛みと恐怖を感じながら出産したら、産後も疲労困憊でうまく母乳育児に移れなかった」というケースが減るという見方もあります。

無痛分娩後に母乳育児を進めるポイント

出産直後の肌と肌のふれあい（カンガルーケア）を大事に

無痛分娩でも、産後に赤ちゃんを抱きしめたり、母乳を含ませることは可能です。早期接触が母乳分泌のスタートを円滑にします。

授乳体勢を工夫する

分娩後すぐに動きにくかったり、下半身に軽い麻痺感が残ることがあります。助産師や看護師にサポートをお願いし、自分がリラックスできる姿勢を探しましょう。

授乳タイミングを逃さない

こまめな授乳が母乳分泌を促すカギです。無痛分娩後でも母体の体力が比較的温存されやすいので、赤ちゃんが欲しがるサインを見逃さずにこまめに授乳を行うことが大切です。

必要に応じて搾乳や補足を利用

万一うまく吸いつけない場合には、搾乳機などの補助道具を活用しましょう。母乳外来や助産師のアドバイスを受けるのもおすすめです。

よくある疑問（Q&A形式）

Q1：無痛分娩を受けると母乳の出が悪くなるって本当？

A1： 医学的根拠は少なく、出産時の痛みや緊張が軽減されることで、かえって産後の疲労やストレスが減り、授乳に集中しやすくなる場合もあります。ただし、実際の母乳分泌量は体質や産後ケアの状態によって左右されるため、個別の相談が必要です。

Q2：麻酔薬が赤ちゃんに移行するリスクは？

A2： 硬膜外麻酔に使用する薬剤は、全身麻酔に比べて血中移行量が少ないとされています。無痛分娩に対応する病院では、妊産婦と赤ちゃんの安全に配慮して麻酔薬を管理・投与しているので、過度な心配は不要です。気になる方は担当医としっかり相談しましょう。

母乳育児をサポートしてくれる横浜市内の窓口・専門家

横浜市内の産院・病院の母乳外来

無痛分娩を行っている施設の多くには、母乳育児を支える助産師や母乳外来があります。出産前に相談可能な場合もあるため、事前に問い合わせると安心です。

区役所・保健センター

出産・育児に関する一般的な相談や、必要に応じた専門機関の紹介などが受けられます。母乳指導や子育てサークルの情報なども教えてもらえるので、気軽に足を運んでみましょう。

子育て世代包括支援センター（はぐはぐのびのび相談）

横浜市内には、妊娠期から子育て期までを一貫して支援する包括的な窓口があります。母乳育児や無痛分娩に限らず、悩みや疑問に専門スタッフがアドバイスしてくれます。

まとめ

• 無痛分娩と母乳育児の関係
  痛みを緩和するための麻酔薬が大きく母乳に影響を及ぼす医学的エビデンスは少なく、むしろ無痛分娩で痛みやストレスを軽減できる点は、産後の授乳をスムーズにする可能性もあります。
• 事前相談と産後サポートが重要
  個々の体質や妊娠・分娩の状況によりケースバイケースです。出産前に病院や助産師に相談しておけば、出産時や産後のケアがより安心できるでしょう。
• 横浜市の支援制度を上手に活用
  母乳外来・保健センターなどを上手に活用することで、不安や疑問を解消しやすくなります。医療機関との連携や行政サービスを活用し、無痛分娩を検討する際はサポート体制もしっかり確認しておきましょう。

無痛分娩による母乳への影響を極度に心配するのではなく、正しい情報を取り入れたうえでご自身と赤ちゃんに合った出産方法を選択することが大切です。横浜市の豊富な子育て支援を活用しながら、安心してマタニティライフと出産に臨んでみてください。