無痛分娩に対する関心は高まりつつありますが、実際には日本における無痛分娩の普及率はまだ低い水準にあります。本記事では、無痛分娩の日本での普及状況、年次推移、さらに普及が進まない背景について解説します。
日本産婦人科医会のデータによると、無痛分娩は徐々に普及しています。2018年の無痛分娩の普及率は全分娩数の5.2%でしたが、2023年には11.6%まで上昇しています。しかし、この数値は、アメリカやフランスなどの無痛分娩普及率が70%以上という現状と比較すると、依然として低い水準です。
さらに、無痛分娩を実施する施設には地域的な偏りがあり、都市部では多くの施設が対応している一方で、地方では無痛分娩を選択できる施設が少ないという現実があります。
無痛分娩の普及率はこの数年で大きく変化しています。日本産婦人科医会の調査によると、無痛分娩の普及率は下記のように変化しています。
特に有床診療所における普及率は急速に伸びており、2023年には12.7%を記録しています。
このように、全体的には増加傾向にあるものの、普及のスピードは地域や施設の規模によって異なる点も指摘されています。
日本では「お腹を痛めて産むことが母親になるための試練」という文化的な信念が根強く存在しています。この考え方から、無痛分娩を選ぶことに対する心理的抵抗が依然として大きいです。
一方で、実際に無痛分娩を選んだ女性たちからは、「痛みが軽減されて、出産に対して前向きになれた」「赤ちゃんが生まれた瞬間をしっかり楽しめた」というポジティブな意見が多く寄せられています。
無痛分娩を実施するためには、麻酔の管理や出産時の緊急対応が必要です。しかし、日本では麻酔科医の不足や、無痛分娩に対応できる産科医療施設が限られているため、普及が進まない原因の一つとなっています。特に中小規模の病院や地方の施設では、対応できる医師やスタッフの確保が難しいのが現状です。
無痛分娩は通常の分娩に比べて追加費用がかかります。出産育児一時金の給付はありますが、無痛分娩にかかる費用は約10万円前後の追加料金が必要です。これも無痛分娩の普及を妨げる要因の一つとなっています。
無痛分娩の実施には地域ごとの格差があります。首都圏や都市部では、無痛分娩に対応している医療施設が多く、比較的簡単に選択することが可能です。しかし、地方に目を向けると、無痛分娩に対応している施設の数は非常に限られており、選択肢が少ないことが分かります。
例えば、愛知県内では無痛分娩を行う施設が全体の約3分の1しかないというデータもあり、特に地方においては無痛分娩の選択が難しい状況です。
。横浜市の場合は首都圏にあることもあり、多くの産院で無痛分娩を取り入れています。
海外における無痛分娩の普及率と比較すると、日本の低普及率が際立ちます。例えば、アメリカでは無痛分娩の普及率は約73%、フランスでは82%を超えており、出産の際に無痛分娩を選ぶことが一般的です。
これに対して日本では、2023年時点で無痛分娩の普及率は11.6%に過ぎません。この違いの背景には、医療体制の違いや文化的な要因が影響していると考えられます。
日本における無痛分娩の普及率は年々増加しているものの、まだ全体の約12%にとどまっています。文化的な背景や医療体制の問題、費用面の負担などが普及を妨げる要因となっています。今後は、無痛分娩に対する理解を深め、より多くの妊婦が選択肢として無痛分娩を選べるよう、医療体制の充実が求められます。
無痛分娩の選択肢がさらに広がり、安心して出産を迎えられる社会が実現することが期待されます。
ここでは無痛分娩の対応実績が年間200件(2024年5月13日時点)で、麻酔科医が在籍し、個室有りと院内環境も整っている信頼できるクリニック4院を厳選して紹介します。
聖マリア
クリニック本院 (戸塚区) |
小川
クリニック (戸塚区) |
プラタナス産婦人科
クリニックながつた (緑区) |
横浜市立大学附属病院
周産期医療センター (金沢区) |
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無痛分娩の 実績 |
559件(2023年) | 312件(2021年) | 250件(2022年) | 248件(2023年) |
無痛分娩の 費用 |
15万円(税込) | 13万円~15万円 (税不明) |
10万円~15万円 (税不明) |
※公式HPに記載なし |
麻酔科医の 在籍 |
◎ 常勤:2名 非常勤:2名 ※JALAより |
〇 1名 ※常勤、非常勤は不明 |
〇 非常勤:1名 |
◎ 常勤:40名 非常勤:0名 ※JALAより |
tel:045-820-6303 |
tel:045-822-6650 |
tel:045-985-0362 |
tel:045-787-2800 |
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【選定条件】
■無痛分娩の実績は各クリニックの公式HPまたはJALA( 無痛分娩関係学会団体連絡協議会)の公式HP(https://www.jalasite.org/)から調査しました(2024年5月13日時点)。そのなかで年間200件以上の対応実績が確認できたクリニックを4院ピックアップしました。
<実績の参照元>
・聖マリアクリニック本院:JALA公式HP(https://www.jalasite.org/hp/10183.html)
・小川クリニック:小川クリニック公式HP(https://ogawaclinic.com/)
・プラタナス産婦人科クリニックながつた:JALA公式HP(https://www.jalasite.org/hp/10678.html)
・横浜市立大学附属病院周産期医療センター:JALA公式HP(https://www.jalasite.org/hp/10169.html)